【EYESCREAM】Talk Session:T$UYO$HI×北嶋直人×Masato ー10周年を迎えたブランドMAKAVELICが主催する音楽イベント“NO LIMIT”を控えてー
2023年11月27日掲載
引用:eyescream.jp
Photography_Shinpo Kimura, Edit&Text_Shuichi Aizawa(PineBooks Inc.)
2013年にスタートして今年で10周年の節目を迎えたバッグブランド、MAKAVELIC。設立以来、ファッションやストリート、ミュージックといったカルチャーをバックボーンに機能的でデザイン的なプロダクトを発信してきた。その同ブランド10周年を記念した音楽イベント“NO LIMIT”が12月19日に開催される。
出演はMAKAVELICとの親交が深いバンド、coldrainとThe BONEZの2バンド。イベントが間近に迫った今、MAKAVELICのアイテムを愛用しているというMasato(coldrain)とT$UYO$HI(The BONEZ)に加えて、ブランドクリエイティブディレクターの北嶋直人にも同席してもらい、それぞれの視点から見るMAKAVELICの魅力に迫りたい。
PROFILE / LtoR
T$UYO$HI:東京都出身のベーシスト。The BONEZ、Dragon Ash、そして現在ドキュメンタリー映画公開中のバンドPay money To my Pain(P.T.P.)のベーシスト。ファッションにも精通しておりブランドmsmlのディレクターでもある。2024年4月には、The BONEZの結成10周年のツアーグランドファイナルを幕張メッセにて開催する。
北嶋直人:MAKAVELIC、ARCHONのクリエイティブディレクター。2013年にバッグブランドMAKAVELICを立ち上げる。出身でもある東京のストリートカルチャーを、ファッションとクロスオーバーさせたグローバルなブランディングを展開する。他にもE-BIKE事業のMAD BOLT GARAGEのディレクターとしても活動している。
Masato:愛知県出身。2007年に結成されたcoldrainのヴォーカリストにして作詞や作曲も担当する。ファッションブランド、OVER(ALL)のディレクター兼デザイナーとしても活動する。2024年2月には地元でもある愛知・名古屋日本ガイシホールにてワンマンライブを予定している。
10年という節目には音楽イベントを開催したかった ー 北嶋
ーまずはMAKAVELICが10周年を迎えた今、なぜ音楽イベントを開催することにしたのでしょうか?
北嶋直人(以下、北嶋):第一にMAKAVELICと音楽は密にリンクしているからです。そして自分の人生においても音楽は切っても切れない存在。この2つが開催するにあたって大切ですかね。個人的な音楽の原体験は、親の影響で幼少期から聴いたマイケル・ジャクソンなどのアメリカのポップミュージックやブラックミュージック。それからロックに夢中になって高校時代にはバンドを組んだこともありますし、HIPHOPを聴くようになってからはDJもやってみたりしてと、常にライフスタイルの一部に音楽がありました。MAKAVELICをスタートしてからは、好きな音楽のアーティストとつながることもでき、またご協力もいただいている。だからこそ10年という節目には音楽イベントを開催したかったんですよね。
ーブランドクリエイティブディレクターの北嶋さんにとっても音楽は大きな影響を与えてきたのですね。その10周年イベント『NO LIMIT』に出演されるThe BONEZとcoldrainに声を掛けたのは、どのような経緯だったのでしょうか?
北嶋:MAKAVELICがcoldrain主催の『BLARE FEST』で過去2回コラボレーションをさせてもらっているのは大きいですね。『BLARE FEST』で感じた音楽の圧倒的なパワーとそれを楽しむオーディエンス達がMAKAVELICのバッグを使ってくれていたのを見て、今回はロックイベントにしようと決めました。そしてMasatoとT$UYO$HIくんにはブランド立ち上げ当初から愛用してもらっていましたし、2バンドとも『BLARE FEST』に出ていたので即決で声を掛けさせてもらいました。
ー2人はお誘いいただいていかがでしたか?
T$UYO$HI:迷うことなく「やります」って即答ですよ。
Masato:coldrainもそうですね。悩むことなんてなかったですね。
ーブランド立ち上げ当初からのお付き合いだそうですが、どのような出会いでしたか?
T$UYO$HI:Masatoのほうが長いでしょ?
北嶋:ほぼ同時期なんだよね。MAKAVELICを立ち上げて間もない頃にMasatoがプレスルームに遊びに来て、それからすぐにT$UYO$HIくんがZAXくんと来てくれて。MAKAVELICがこれから行くぞ! ってタイミングだったのですごく覚えているよ。
T$UYO$HI:そうなんだね。てっきりcoldrainが窓口になって連れていってくれたのかと。それくらいオレの中ではMAKAVELICとcoldrainはセットのイメージ。というよりグルだと思ってるから(笑)。
Masato:グルではないです(笑)。
ー(笑)。愛用されているお2人にお聞きします。MAKAVELICの魅力とは?
T$UYO$HI:俺は今日持ってきたショルダーバッグを最近愛用しているんですけど、MAKAVELICのバッグは素材感がいいんですよね。黒ベースで大人っぽくて。あとはどこか東京らしさを感じるところかな。あんまりごちゃごちゃしてなくて、落ち着くというか。このショルダーでいうとバンドで移動する時にすごく重宝していて、iPadは入るし財布も入れておけてって常に持っていますよ。
T$UYO$HIが愛用しているショルダーバッグ。ショルダーのベルト部分は取り外すことが可能で、取り外してバッグインバッグとしても使える2WAY仕様。
Masato:オレはMAKAVELICに出会ったときに、直感でオレら(=coldrain)にハマるなと感じたんですよね。洋服でもあるじゃないですか? 自分に似合うイメージができる洋服って。それで出会ったときに、自分達が持っていてファンも持っていたりする姿を想像できたんですよね。それはきっとオレらの音作りとMAKAVELICのモノ作りが似ているところがあるからかもしれない。coldrainは王道でありながらもそこからひとつ斜めなところを狙っていて、MAKAVELICにもそんなことを感じたりする。他にはバリエーションの多さも魅力。メンバー全員、違うモデルをたまたま使っているんですよね。で、違うモデルを使っているのに、まとまりがあって見える。楽屋はMAKAVELICのバッグだらけですから(笑)。あとはT$UYO$HIくんが言っていたように、東京というか都会感を感じるところも好きです。
T$UYO$HI:ストリート過ぎず、子ども過ぎずって程よい都会感だよね。それはパーツ使いもあるのかもしれない。本来だったらプラパーツを使うところをあえてメタルパーツを使っていたりするからね。
ー確かに素材やパーツ使いはMAKAVELICらしさですね。Masatoさんには本日お持ちいただきましたが、過去にコラボレーションもされていますよね。
Masatoが愛用しているバッグ。左はブランド初期からリリースされているもので、右は「BLARE FEST.2023」で発売されたcoldrainとのコラボモデル。
Masato:そうですね。『BLARE FEST』も入れるともう3回コラボさせてもらっています。
T$UYO$HI:だからグルなんですよ(笑)。
Masato:(笑)。コラボモデルはあんまり派手にcoldrain色を出さなくてもファンがほしがってくれるんです。それくらいファンにとってもMAKAVELICは身近に感じてくれているのかもしれないですね。一時期、街でMAKAVELICのバッグを持った人を見ると、オレらのファンなのかなと勘ぐったりもしましたから。ってやっぱりグルなのかもしれないですね(笑)。
一同:爆笑。
トートバッグのプリントでは意見が割れましたよね ー Masato
ー北嶋さんは2人のどんなところに惹かれますか?
北嶋:Masatoはこんなにイケメンなのに、ライブではアツくて強烈なデスボイスを出しているのに驚かされます。T$UYO$HIくんは職人肌のプレイでクールなかっこいい先輩なところですかね。あとは2人ともスターなのに気さくでファッションが好きなところにも惹かれています。出会った時からそれぞれバッグのこだわりを聞かせてくれて、実際のモノ作りでも生かせることがありますから。
ー今回イベントではトリプルコラボレーションを製作されたそうですが、どんなアイテムに?
北嶋:10年の節目ですからバッグはマストで作りたかったんです。そこでMasatoとT$UYO$HIくんに相談したところ、グッズ的なアイテムではなく本格的なバッグを作りたいということで、MAKAVELICでリリースしているバッグをアップデートすることにしました。それでT$UYO$HIくんとKatsuma(coldrain)が愛用してくれているトートバッグがベースになりました。さらにトリプルコラボはこの先もなかなかできないと思ったので、ファン目線でTシャツとロンTもラインナップさせました。グラフィックのデザインはKatsumaがやってくれて、イベントのコンセプトである“NO LIMIT=限界突破”から連想したワシをモチーフに採用しました。
MAKAVELICの10周年を記念してリリースされるThe BONEZとcoldrainとのトリプルコラボレーションアイテム。デザインを担当したのはcoldrainのKatsuma。
ーみなさんの意見も反映されたアイテムなのですね!
Masato:トートバッグのプリントでは意見が割れましたよね。リフレクターかブラックにするかって。それで最終的に多数決をしてリフレクターに。でも今までのコラボでオレはかなり意見を出したので、今回は静観させてもらいました。というのもKatsumaはメンバーの中でもThe BONEZとも関わりが強いし、ブランドのイメージもわかっていて安心できたので。結果、いいデザインになったと思います。
T$UYO$HI:オレはKatsumaが上げてきたデザインや色に対して、これはこうしたらいいんじゃないかだったりのアドバイスはしました。特にcoldrainとMAKAVELICはグル(笑)なので、色については考えましたかね。ブラックはMAKAVELICらしい色だし、coldrainらしさもある。それに対してThe BONEZはもう少し色がある。それで色を足し始めたらぐちゃぐちゃになってしまうので、黒を生かしながら進めて、最終いい形になったかなと思いますね。
渋谷でライブができるっていうのは個人的には嬉しくて ー T$UYO$HI
ーここからはイベントの話も。The BONEZとcoldrainの2マンは、ちょうど1年前のThe BONEZ企画『LIVE TONIGHT』以来になります。振り返ってみて印象に残っていることはありますか?
T$UYO$HI:あの日はかつてないほどMasatoがオレらに対して攻撃的だったんですよね。でもそれって攻撃的になるほど2マンを意識していたってことで、ちゃんと考えてくれているんだなってことが伝わってきましたね。あと、オレらはバンドのキャリアとしてはcoldrainの後輩にはなるんですけど、それを「オレらは先輩だから!」ってMCでMasatoはやたら言っていたのも覚えてる。
Masato:言ってましたね(笑)。
T$UYO$HI:それもきっとMasatoなりに2マンでやることに対してすごく考えてくれているからだし、自分達はcoldrainとしてしっかりやってきたという自負や自信を感じたよ。
Masato:The BONEZってバンドは常にいろいろなことが起きているバンドなんですよね。例えば一緒にやったライブでも、次一緒にやるとまた全然違うバンドになっていたりするし。そんなバンドとしての強さや進化があって、先が読めないんです。だからあの日の2マンは先行がオレらだったのでどんなライブをかましてくるか読めなかった。それで気が決して抜けなかったのをすごく覚えています。感覚的には初めて対バンするくらいの気持ちでしたね。だけどすごく楽しい夜でした。
T$UYO$HI:いやあ、楽しかったね。
ー今回はどうなると思いますか?
Masato:あの日をもう1回やりたいと思っていたタイミングでもあったし、1年を締めくくる時期でもあるのですごくワクワクしていますね。あと前回の会場はゼップだったんですけど、今回はそれより狭いイーストということで観に来る側もオレらもヤバいことになりそうな予感がしています。
T$UYO$HI:The BONEZはこの2マンが今年最後のライブになるので、締めくくりにはふさわしいかなと。Masatoも言ってますけど、キャパ的にもこの2バンドを観られるのはなかなかないのでお客さんも楽しんでほしいです。あと渋谷でライブができるっていうのは個人的には嬉しくて。というのも昔はAXっていうライブハウスがあったからよく渋谷でライブもしたし、遊びにも来てたんです。それこそP.T.P.をやっている頃だったから、毎晩のように渋谷で飲んで遊んでいた。そんな忘れたくない思い出がある街でできるので、世代は交代したけども今の若い子達にライブで食らわせてやりたいと思ってます。ちなみにライブが終わった後に、渋谷で泥酔しているメンバーを見かけてもそっとしておいてください(笑)。
Masato:(笑)。でも渋谷でっていうのは確かにひさしぶりな感じがしますね。そして渋谷という街は、MAKAVELICが持つ空気感とも合っていると思う。だから今回のトリプルコラボというイベントの空気感も楽しんでほしいですね。
ゼロからスタートしてこんなにたくさんの方にサポートしてもらって今ではMAKAVELICは大きな財産 ー 北嶋
ー北嶋さんはどのようなライブを期待しますか?
北嶋:忙しいスケジュールの中出演してくれるだけでも感謝ですし、どんな場所でもいつも最高のライブを見せてくれるバンドですからライブに関しては全部お任せです。あとは演者もオーディエンスも運営する自分らも一体になって盛り上げることができたら最高です。
ーでは10年以上音楽を続けてきたお2人には、MAKAVELICの10年を初期から見てきてどう感じていますか?
T$UYO$HI:オレもMasatoも洋服をちょっとやったりしているからわかるんですけど、バッグをメインにして10年やり続けてきたことってすごいことですよね。例えばシャツを作って売るとする。それをまた来年別なデザインにして売るとしたら、また買ってもらうのは大変だと思うんですよね。でも洋服ならシャツに限らず、ニットやTシャツといろいろできる。でもバッグじゃそうはいかない。だからそれを10年やってきたことはリスペクトですよ。
Masato:オレはただの愛用者なんですけど、胸を張って使えるモノ作りというものを最初の頃から見させてもらって、時には一緒にも作らせてもらったりもして感慨深いですね。それこそこの10年でブランドを続けていく苦悩だったりも聞いたりもしてきたので、今では同志のようにも感じています。coldrainは16年目なのでMAKAVELICも続いていってほしいし、飛躍していってほしいです。あとは10年の通過点をともに過ごせることが本当に嬉しいし、声を掛けてもらって感謝です。
ー最後にMAKAVELICの10周年を迎えてどんなお気持ちでしょうか?
北嶋:自分が初めて立ち上げたブランドがMAKAVELICなのですが、ゼロからスタートしてこんなにたくさんの方にサポートしてもらって今では大きな財産です。10年という期間にはいい時もあればコロナ禍といった辛い時もありました。ですが、信念を持って続けてきたからこそ今があります。MAKAVELICを通じてたくさんの人と出会え、ブランドだけなく自分や会社も成長させてもらいました。ありがとうございます。今回のイベントでは、MAKAVELICを知らない方もいらっしゃると思いますので、この機会に知ってもらえたら嬉しいですし、コラボアイテムにも期待していてください。
今回のトリプルコラボアイテムはライブ会場でも販売されるのだが、事前購入ができるポップアップストアが開催される。さらにポップアップで購入された方には特典があるそうなので、当日ライブに行けない方はぜひとも下記の情報をチェックして足を運んでみてほしい。